蝋燭が出来るまで

当店では、昔ながらの手法を用いて、一本ずつ、丁重に手作りした和蝋燭を販売しています。
こちらでは、その作業工程をご紹介しています。

燈芯つくり⇒下準備⇒形つくり(1)⇒中塗り⇒形つくり(2)⇒上塗り(最後の仕上げ塗り)朱がけ⇒芯出し・切り落とし

このように数多くの工程を経て、当店の蝋燭は製造されています。

蝋燭原料

和紙・藺草(いぐさ)・真綿 (芯の材料)
さらし蝋(植物系)
硬化油(パーム油:植物系)
パラフィン(石油系)

燈芯つくり

五箇山和紙を巻き棒に巻きつけたものを中心とし、その上に奈良県産の藺草の細い芯(一番上質ないわゆる大和物と呼ばれている)を巻きつけ、さらに蚕の繭から取った真綿で巻いて止め、巻き棒を抜き取ります。

下準備

作成した芯の頭とお尻を溶かした蝋に浸し芯がほどけるのを防ぎます。
芯を竹串にさし、後の芯出し作業の際に剥離しやすくするため芯の頭2~5cm(蝋燭の号数《サイズ》によって異なります)を菜種油に浸します。

形つくり(1)

鍋または筒型の金属容器に入れた溶けた蝋に竹串にさした芯の部分全体を浸してから速やかに引き揚げた後、くるくると回しながら冷やし芯周りに均一に蝋が付着するようにします。

芯周りに付けた蝋が充分に冷え固着したのを確認してから上記を繰り返し、号数《サイズ》に合わせて規定の太さになるまで、木の年輪のように少しづつ蝋燭を太らせて行きます。

室温により蝋が冷えて固まるまでの時間が異なる(高温→長い・低温→短い)ため季節によりこの作業にかける時間も異なってきます。

中塗り

前工程で太くした蝋燭は未だ表面の凹凸が激しいため、臼の中に入れた溶けた蝋に小さな蝋の塊を加え少しずつ冷やしながらクリーム状に練り上げた蝋を手のひらを使い巻きつけるように塗りつけ形を整えて行きます。



この作業も一気に厚塗りするのではなく薄く塗りつけ冷却し、冷えたらまた薄く塗りつけるのを繰り返すため、気温・室温によって効率が左右されます。

また、この作業には室内の温度・湿度が一定していることが望ましく、温度が一定でない(特に急激に低くなる場合)と蝋燭に皹が入ることがあります。

形つくり(2)

当店で製造する和蝋燭には並型とバチ型があり、バチ型では並型に比べ頭の方を大きく滑らかに張り出させるため、中塗りを終えた時点で曲面を削れるカンナで形を整えます。

上塗り(最後の仕上げ塗り)
または朱がけ

新たに不純物の少ない蝋を前工程同様に臼を使ってクリーム状に練り上げたものを塗りつけ最終仕上げを行います。

また、朱の蝋燭の場合は筒に入れた朱色の顔料を溶かした蝋に浸し、着色します。

芯出し・切り落とし

それぞれの号数《サイズ》の規定寸法に合わせて熱した包丁で芯を削りだし、不要部分を切り落として完成となります。

永年の経験により、常に異なる気候条件であっても、同様の製品に仕上げるのが熟練した匠の技です。

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